日本で唯一の擦弦楽器、胡弓は、長い歴史を持ちながらも演奏の主役になることは稀です。そんな胡弓に私は着目し、胡弓ひとすじに歩んで参りました。
2020年の「木場大輔 胡弓 ウェブリサイタル」と、2021年の「木場大輔 胡弓の会」では、胡弓独奏および、柳川三味線や二十五絃箏との合奏、三曲合奏から、胡弓の新旧の魅力と可能性に迫りました。
これらの成果を踏まえて、さらに胡弓の本質と魅力を探求するべく、胡弓本曲、胡弓独奏、三曲合奏により構成したリサイタルを行います。
胡弓本曲「鶴の巣籠り」は、胡弓の代表曲であり、極秘曲として大切に継承されてきました。富田清邦先生のご助演で、小松景和作曲の前歌付きで演奏いたします。
胡弓独奏曲「襲」は、伝統奏法の合わせ弓を応用して私が作曲した独奏曲です。曲の九割以上が重音であると同時に、尺八本曲的な間合いから素早いパッセージまで、超絶技巧が要求される作品です。
三曲合奏「吾妻獅子」は、藤本昭子先生と岡村慎太郎さんのご助演で演奏いたします。胡弓の手付は名古屋の佐藤正和によるもので、非常に精妙な技巧が尽くされています。
胡弓の緻密で高度な器楽性をいかに継承発展させるか、その真価を問う公演です。
この度、本公演が令和4年度文化庁芸術祭参加公演として実施できることとなりました。
ぜひお一人でも多くの方にお聴き頂きたく、万障お繰合せ・お誘合せの上、ぜひともご来場・ご支援賜りますようお願い申し上げます。
木場大輔
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